DAYS_

Mitsutoshi&Tomoko Takesue

病院より愛をこめて

こんにちは、organの朋子です。
ただいま骨折入院により、お客さまに多大なるご迷惑をおかけしております。
これまで余程の事がない限り誰よりも長時間在店し、皆さまのご来店をお待ちしていたという自負があったのですが、この度不注意で招いたアクシデントで、病院のベッドに転がりながらカバのように腫れた右足を高く投げ出し(知らない人が見れば横着そのものの格好)、術後を過ごしております。
D8897D62-98A4-41C5-B67F-E30E7A6CC28F 生まれて初めての手術入院体験はおっかなびっくりで、脚の痛みがやわらいできた頃から、やっとあたりを観察する余裕が出てきました。

たまたま駆け込んだ病院は、病棟が全個室のシステムだった為、各患者にひと部屋そしてバリアフリーのトイレ付き。けっこう贅沢だと言えます。空間の事だけで言えば、ほぼ快適に過ごせる部屋に置かれたベッドに身を預けながら、シャルロット・ペリアンのインタビュー動画を思い出しました。
彼女は幼い頃に入院した際、必要最小限で簡潔に設計された病室という空間にとても居心地の良さを覚えとても安心して過ごした後、自宅に戻って物の多さが息苦しく耐えられずに泣いたのだ、というものです。
その動画を見た当初は大胆な感想だなぁ、と思いましたが、今、こうして自分も入院してみるとペリアンの言った言葉がわかる気がします。
例えば買付の時に、予想に反して過剰に装飾されたホテルに滞在する事になったら、きっとくつろげません。アルヴァ・アアルトも素晴らしいパイミオのサナトリウムという医療施設を設計していたり、コルビュジエ設計のユニテダビタシオンも、ペリアンが手掛けたレザルクのスキーロッジにも共通する”何か”を感じます。改めて”個”が集合する施設の役割を、痺れた右脚さすりながら思うのも、悪くないのかもしれません。
※写真は先日訪れたコルビュジエのユニテダビタシオン(フィルミニ)と、ラ・トゥーレットの修道院
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2A4C7027-7004-4ACC-9D32-525E1B853A0F ちょっと残念なのは、日本のホテルなどの施設には圧倒的に”フック”が少ない。タオルをちょっと、外出着をちょっと、バッグをちょっと、といったいろんな瞬間に、海外では大抵壁にフックがあり困らないのだけど、日本ではよく困る。どこに掛けるの?置くの?って。てことで、日本・モアフックプリーズ!

さて、話は戻り、入院準備は買付け旅の準備に少し似ていました。極力身体を締め付けずストレスの少ない最小限の下着と部屋着。履きやすい靴。いつも持ち歩いている洗面道具一式とタオル。財布と時計、携帯電話と本。
先日仕舞い込んだばかりの旅行グッズを、また引っ張り出したようなかたちになりました。
片足で動き回る私を見兼ねた夫が、私の選んだ大きめのバッグに荷物を入れ始めたのだけど、私の”詰めの甘さ”がここでも出ます。詰め込みを手伝う夫が不機嫌そうに「入らない!」と叫び結局もうひとつバッグ調達。使ったそれは、横長デザインが気に入りのショッピングバッグ。フランスのオーガニック系スーパーの走りとなったNATURALIA のもの。これ、今回も少量ですがフランスから持ち帰りorganでも販売してますので、ぜひ。行く度に買ってきてるので、変わり続けるデザインにも気付きます。最初期のバッグは一般的な大きさだったのですが、とてもビッグサイズになって便利に使えてます。最新のプリントデザインは、プリント文字のメッセージ性が強くなってました。
396EA9EB-71EA-4322-8991-721A010944AC 何もしてなくてもご飯が目の前に出てきて・食べ終わるとさっと引いてもらえる入院生活に、後ろめたさすら覚え始めました。これまで家事を一手に引き受けていた自分にとっては、まじか?天国ってやつです。
私は基本ダラダラしたいタイプなので、長期いたらきっとダメ人間になります。(予定ではあと一週間ほどで追い出されますので、ご心配無く)。
82977EC4-CC61-4D3E-83F9-A419AA76FF52 順調に進めば今月末からレアな松葉杖姿で店に復帰の予定です。しばらくは引き続きでお客様にはご不便をおかけする事お詫び申し上げて、リハビリに行ってきます!アビアント!

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