DAYS_

Mitsutoshi&Tomoko Takesue

ル・コルビュジエ展

みなさまボンジュール!先日フランスへ買い付けに行ったばかりで、フランス・ボケの朋子です。

パリに到着翌日、仕事のためいつも訪れるマレ地区の通りを歩いていると、大きな広告掲示板にル・コルビュジエの顔写真がドーン!とあります。びっくりして近づいて見ると、どうやらポンピドゥー・センターで展覧会が開催中。日本でキャッチしていなかった情報なだけに、見つけてラッキーな気分&大興奮!当然見に行く気満々になりました。

とはいえ、いつもスケジュールに少し余裕を作って出発するにもかかわらず、旅先であっという間にいろんな出来事が起こるので、まるでパズルを組むかのように時間は次々と埋まってしまうのが、私達の買付旅。「あら、残念でした〜、行けませんでした〜」というパターンだけは避けたいと、必死にポンピドゥーの営業時間と自分たちのスケジュールをにらめっこして、パリを発つ2日前になんとか時間を作ったのです。IMG_6278

IMG_6642IMG_6649知り合いのディーラーは、「そのコルビュジエ展はコンパクトだから」と言っていたけれど、実際はそんなこともなく、ずいぶん見応えのあるものでした。
特別展「Le Corbusier – Mesures de l’homme」というもので、ぼんやりと訳してみると”人の寸法、尺度、基準”=おそらくコルビュジエの提唱したモデュロール(Modulor)のことを指している”を焦点にした企画展示らしく、キャリア開始時代から順を追って、抽象表現時代の絵画やスケッチ、書物に建築模型があり、中盤からはメインとなる「モデュロール」の関連作品がずらり、各所で短編フィルムが上映されていて、その映像も内容豊富。モデュロールを黒板に書きながら尺度について解説をする彼、完成後のユニテ・ダビタシオンで子どもたちに歓迎される(ふりをする)彼、インドのチャンディーガルでは都市計画の視察をする彼、などなど、とにかく動き喋るリアルなコルビュジエ・フィルムは、とても目に焼き付きました。IMG_6631個人的に新鮮だったのは、1920年代に若きコルビュジエが、アメデエ・オザンファンという画家に出会い、ともに影響し合いながら絵画表現をしていく様子が展示されたコーナー。日常の中にある静物(瓶やコップなど)を平面的なラインで描いたものが多く、ふたりの絵が並べて展示されているのですが見分けがつかないほどに思考・視点・表現が近い。いや、どうもオザンファンの絵がかなり素晴らしく、もしやコルビュジエのほうが随分影響を受けたのでは?と妄想してしまう。IMG_6627 IMG_6623コルビュジエが創刊したことで名前だけは知っていた「エスプリ・ヌーヴォー」という雑誌も、じつはこのオザンファンと一緒に出版していたと知り、おそらくコルビュジエに大きな影響を与えただろう、この画家のことをもっと知りたいと思いました。
はたまた、この後、建築家として世界的に活躍するようになってからも、コラージュ作品や自身の建築に関連させて「絵を描く」事をやめなかったコルビュジエの真髄にも触れた気がしたコーナーでありました。IMG_6629さてさて、そうやって夢中で見入っていると時間はあっという間に過ぎるもので、次の約束の時間が近づき、後ろ髪をかなり引かれながらの退場を迎えたのですが、出口でサヨナラの為に貼られた写真パネルが最高!フランス人のユーモアがやっぱり好きだ、と、思ったのでした。IMG_5176
このル・コルビュジエ展、ポンピドゥー・センターで今年の8/3まで開催されているそうです。パリに行くご予定の方は、ぜひ!

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