DAYS_
フランスの”humour ユーモア”
January 15, 2015 /
こんにちは、朋子です。
パリの「シャルリー・エブド」という週刊新聞の事務所が襲撃された事件からはじまり、大規模なデモ行進の報道が届いたりで、フランス贔屓な私の心は、ここ最近ざわつきっぱなしです。
organを始めたばかりの頃、夫の友人で東京在住の小柳帝さんと知り合いました。ライターでフランス語講師、映画や音楽、デザインにも精通する帝さんが主宰するフランス語教室ROVAを、月に1回organでもスタートすることになり、以後15年間、彼からとーってもたくさんのことを教えてもらっています。最初の頃は、ポスター画家レイモン・サヴィニャックのことや、60〜70年代頃のグラフィカルなデザイン雑誌、エロフォト雑誌、バンド・デシネや風刺マンガのことを夢中で見聞きして、買付け(初期organはフランス買付けが多かったのです)の時に、好きになった本やポスターを必死に探しまわっていました。とくに魅せられたのが、風刺マンガ家sine(シネ)!はっきり言って痛烈な風刺イラストです。宗教や人種問題、政治ネタを、シンプルな画風でぴゃらりと描いてしまう。そこに込められたメッセージを半分も読み解けはしないのですが、なにやら”きれいごと”で物事を片付けない彼の「批評精神」と、ユーモアたっぷりのイラストに、ノックアウトされたのです。
昨年発売された、帝さんの書籍「ROVAのフレンチカルチャーA to Z」に、フランス人の”humour ユーモア”について書かれたページがありました。例えば書店には「ユーモア(humour) 本」コーナーがあり、児童書や大人のマンガ、映画本、デザイン本などがジャンルを問わず、ウィットに富んだ内容の書籍が並んでいるそうです。その理由がとても素敵だったので、ここに引用させてもらいます。
[実は、フランス人にとって、ユーモアは、ボクらが思っている以上に重要なものだからだ。フランス人は、人生をヴァカンスのように楽しんでいるとよく言われるが、まさにユーモアはワインと同様、彼らがヴァカンスのように人生を生きるための活力源なのだ。サヴィニャックも言っている。「ユーモアは、効ストレスの妙薬だ。それは心身のバランスを整え、血行を良くし、自由な発想を生む。毎日服用すること」と。 〜以上、小柳帝著「ROVAのフレンチカルチャーA to Z」より〜]
あと、フランス文学者の河盛好蔵氏が、こうも言っています。「ユーモアは、自分と相手を対等の階梯に置いて接する人にしかそのセンスは持てないと言われる」と。
なるほど、ユーモアっていろんな事をよく知らないと、使えませんね。
粋な笑いで”活力源”と”自由な発想”を!ってことで、私もまた、これからも精進・精進。(武末朋子)