DAYS_
Mitsutoshi&Tomoko Takesue
たとえば、アイリーン・グレイのE1027がエーゲ海のレスボス島あたりをクルーズするヨットだとすると、そこから階段を20段も登ったところにコルビュジェが建てたCABANONは、さしずめ筏(いかだ)といったところか。3.66×3.66m、約4坪という丸太小屋は、彼の建築理論に従った、人間が生活する最少のスペースでしかない。日本風に言えば約8帖ひと間。そこにシングルベッド1+α、テーブル+スツール、ワードローブ、トイレ、洗面台を配置と聞くといかにも狭いようだが、中に入ってみると圧迫感がない。というか、なんだか落ち着く。夏の休暇小屋という前提があるとはいえ、生きてゆく上で必要な空間は、案外これくらいのほうがいいのかもしれない。人が、限られた時間をこの地球で過ごすことは、神が与え給うた短い休暇期間なのだから。
バトンはちゃんと渡された!
January 05, 2016 /