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Koichi Futatsumata

上棟式(与論バージョン)

1先日、与論島で進行中の別荘の計画が、無事に上棟を迎えました。「上棟式」いわゆる「棟上げ」ですね。この建築に関わる方々の名前が書かれた立派な幟の上がった鉄筋コンクリート平屋の屋上、目の前には与論のエメラルドグリーンが広がってます。上棟式や地鎮祭などの神事は、結構地域でその風習も異なります。
IMG_2803昔、僕の小さい頃は育った鹿児島の実家が新興住宅地だったこともあって頻繁に棟上げがあっていて、当時はよく餅まきもやっていましたから地域をかけずり回ったものです。お金も一緒にまくところでは、100円とか入ってるのを拾った時はえらく嬉しいものでした。最近は、時代と共に近隣の繋がりが薄くなってか、一見非効率?なことを避けてなのか、特に都市になるほど簡易に済ませる場合が多くなってますね。調べてみると、アジアや欧州圏でも結構同じような風習が今でもみられるみたいです。
IMG_5056今回の棟上げで、実は僕も初めての餅まきでした。子供たちの待つ、地上へ施主や設計者、施工の方々でまき散らします。「お金~お金~!」と叫びながら包みを拾う子供たちに逆に圧倒されつつ。それを終えると、さあ直会です・・・
3出来た屋根の下、敷かれたブルーシートの上に関わる関係者一同が集まり、施主から振る舞われる食事と、島らしくどこからともなく集まりだすたくさんの黒糖焼酎の一升瓶。ここからが大変です。
IMG_2836乾杯の音頭をとることになり、挨拶中の構造設計担当/大野さん。与論には、「与論献捧(よろんけんぽう)」というもてなしの習慣があって、親となる人が氷の入った杯に「とととととッ・・・」とこちらが言うまでなみなみに注がれる黒糖焼酎を軽い小話を入れて皆さん一気に飲み干すわけですね。
4それを人数分回し飲みするやり方で、毎回行く度にこの洗礼を浴びるわけです。今回も例外無く。一部の知人達は知ってますが、そうお酒に強くはない僕はこの日結構早くに潰れた訳ですが、気づけば座ったまま寝てました。
IMG_5073そこから宿までの記憶は少しだけです。それでも翌朝すっきりしていたのは黒糖焼酎だからなのかは分かりませんが、島の職人さんたちは2次会とかまであってたみたいですけど、
5翌朝まだ焼酎の香り残る現場で何事もなかったかのようにけろっとしているのは想像出来るでしょう。
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この仕事をしていると、そこに出来る結果だけしか見えないものですが、設計や打ち合わせはもちろんですが、こういう施主・施工者・地域の方々との人間臭い付き合いがたくさんあっての結果だったりもするんですね。
以上、与論での上棟式レポート。

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