“NEW WEEKEND”

あたらしい週末、あたらしい日常

Words,Edit,Photo by Masafumi Tada

ことし3月15日、福岡市・東区の「海の中道海浜公園」に開業した “泊まれる公園”をコンセプトとした宿泊施設「INN THE PARK 福岡」。「憩う」「学ぶ」「遊ぶ」体験からなる滞在型レクリエーション拠点として、博多湾が一望できる同園内の「光と風の広場」に誕生した。この場所で、5月21日(土)、22日(日)に初開催されるマーケットイベント“NEW WEEKEND”の企画を担当する、福岡を拠点としたアパレルブランド・FUJITOの藤戸 剛さんに、本イベントの概要や参加の経緯、藤戸さんの思う「週末」や「日常」についても話を聞かせてもらいました。


CENTRAL_(以下C):最初に「海の中道海浜公園」や「INN THE PARK 福岡」の印象を聞かせてください

藤戸さん(以下F): もともと、気持ちの良い場所としての印象はありました。福岡の街(天神や博多方面)に住んでいると、少し遠いイメージがあるかと思いますが、僕の店(警固)から、都市高速を使ってスムーズに行くと20分くらいと距離間がちょうどよいですね。海の中道から博多湾越しに、僕らがいつも住んでいるところを昼と夜も見渡すことができるのも、今いいなと。自分自身、コロナになってから旅とか海外出張ができなくなり、街を俯瞰して見れるというのは大事な時間ではないかと思うんです。福岡の街って、ご存知のようにいい街なんですけど、住んでいると慣れてしまって、それを忘れてしまうので、ここへ来てみて改めて気づきました。

INN THE PARK 福岡について
“泊まれる公園”をコンセプトとした宿泊施設で、2017年開業した静岡県・沼津に続く2施設目となる。施設内には、最大直径約6mの球体テントをはじめとした4タイプの宿泊部屋に加え、 地元の食材で作った料理を提供するレストラン、温浴施設、バーベキュー場/ラウンジなどを備える。また、 “音楽”をテーマにした様々なコンテンツや、アーティスト支援プログラムなども展開。
DJI_0147 fin 撮影:阪野貴也


 C:今回、藤戸さんが携わることになったきっかけを教えてください

F:ことしの1月下旬、INN THE PARKと親交のあった、伊藤総研の伊藤さん(https://www.itskn.jp)より話を頂きました。福岡にこういう場所がオープンするので、マーケットイベントのようなことができないかなぁといった感じで、最初は相談レベルだったのですが、詳しい内容を聞く前から受けようと思っていました。失礼な話、その時はINN THE PARKのことは知りませんでしたが、海の中道は環境や場所がいいですし、総研さんから話をもらった時点で面白そうだったので。

相談をしてもらえたのも、今まで仲間と自分たちでやってきた、太宰府や波佐見での合同展示会の『thought』や、マーケットイベントの『BLEND MARKET』の実績もあってからだったかもしれないです。

コロナみたいな状況がなかったら受けていなかったかも。コロナ以降、自分たちがやっているアパレルでいくと、工場がストップするなど生産背景のことや、生地の値上がりなどがありましたが、その時、その時で考えて対応していくことで、正解に近づけるような気がしたんです。コロナによって気づいたところも沢山あって、これまで自分がやってきたことで、今回はクライアントワークとして、新しい仕事になるのではとも思いました。

IMG_3423 藤戸 剛さん


C:“NEW WEEKEND”というタイトルについて聞かせてください

F:コロナが少し落ち着いてきたタイミングの空気感の中で開催するイベントとして、どういう余暇の過ごし方をしたらいいかというところから考え、“あたらしい週末の過ごし方”みたいなところへとつながっていきました。このタイトルを決めるまでは、総研さんとキャッチボールを繰り返して、しっかりとやり取りしました。今まで、自分が行うイベントは、“こんな感じ”でといったニュアンスで進めてきたので、今回のようにタイトルやイベントのことを誰もが分かる言葉にしてからというのは新鮮でしたし、楽しかった。それが決まると、イベントの内容が考えやすく、まだイベントは始まってないけれど、ゴールまでいった感じになり、骨組みを作る大事な時間だったんだなと思います。

DJI_0299 fin 撮影:阪野貴也


C:マーケットに出店してもらう店舗はどのような視点でオファーしたのでしょうか?

F:まずは自分が楽しむことができないとと自分自身に問い、休みの日に行ってみたいお店や、ふだんはイベントに出店されないようなお店、オリジナリティがあり福岡に根ざしているお店などに声をかけさせてもらいました。

ただ、イベントのタイトルやステートメントが決まり、出店してもらいたいお店のイメージが決まると、全体の内容が立ち上がってきて、あの店とあの店が並んで、会場にお客さんが入ってくるというような想像をした時に、これまで物販だけのイベントをしてきた時と比べて、フードがあると違う広がり方があって、年齢や性別など幅広い人たちに楽しんでもらえる物語性があったらいいよねと思えてきました。

これまで自分が関わったイベントでお声かけしたお店、仲のいいお店という、藤戸まわりプラスαのお店が絶対に必要なだなというのもあって、今回、初めてコミュニケーションを取らせてもらったお店もあって、新鮮でもあり、いい経験になっています。

初開催となるイベントに参加するって不安じゃないですか。場所や集客など見えない部分もあるなか、出店してくださるお店に感謝ですよね。出店してくれる方がいるからスタートができるので、自分なんかが、どうこう言うことではなくて、個々のお店さんの力が集まることで成立することで、主役はお客さんと出店される方々ですから。


C:今までにない組み合わせのように感じますが、どのような出店店舗があるのですか?

F:フード、物販ともに14店舗ずつの計28店舗が出店します。フードは、その日だけしか食べられないメニューをはじめ、スペイン料理やベトナム料理、自然派ワイン、日本酒、パン、スイーツ、コーヒーなどがあります。物販は、雑貨やステーショナリー、アウトドアグッズ、アパレルなどのほか、ギャラリーや自転車といったジャンルも出店しているので良いスパイスとなって効いてくると思います。

太宰府で開催している『BLEND MARKET』の時に、こんな百貨店の平場があったら面白いだろうなと思っていたことが結果的にそうなって、お客さんの反応や手応えも感じていたので、その時の経験も活かして、“あの店の横に、あの店が!”みたいな少し混沌とした空気も出せるといいかなと思っていますし、そこをお客さんにも楽しんでもらいたいです。

IMG_9280

C:5/21(土)の夕方からはDJによる選曲もあるそうですね

F:土曜日の夕方の16時ごろから22時ごろまで屋外にあるドーム型のラウンジ内で、夕方から夜の時間を心地よく過ごしてもらえるような感じで、5人のDJに各ジャンルごとに選曲をお願いしています。”NEW WEEKEND”のイベント自体は17時半までとなっていますが、来園されたお客さんは引き続き残ってもらってもいいですし、出店者も店を終えて楽しんでもらえるようなフェードタイムを設けいています。日曜日は、“日曜日”をイメージした3曲をDJの皆さんに選曲してもらい、その音源を流す予定です。

iptent 屋外ラウンジ 撮影:阪野貴也


C : “NEW WEEKEND” どんなイベントをイメージしていますか?

F:やってみないと分からないですけど、スローに始まって、スローに終わりたい、そんな感じになればと思います。ゆったりと海を見ながら美味しいフードとお酒で、“そういえば、こういう週末が楽しかったよね”と思い出してもらいながら、すべてにおいて新しい何かを感じてもらえるような仕組みになっているので、お客さんも自分たちも楽しいしみたいな。そして、“お父さん、楽しかったね、せっかくだから泊まって帰ろうか”みたいな、ホテルないしテントでキャンプして宿泊するくらいのスピード感を勝手ながら理想としています。それから、今後もINN THE PARKさんには有意義な形で運営していってもらいたいので、自分たちのような地元の人が関わることで、この場所の新たな見え方につながることもあるので、そういうきっかけにもなってほしい。あとは県内外をはじめ、海の中道周辺に住んでいる地元の人達にも来てもらいたいですね。

IMG_3441 INN THE PARK 福岡から博多湾を望む


C:藤戸さんにとって「週末」「休日」「日常」とは、どういうものですか?

F:今は都会というところで仕事をしながら、休日は土をいじったりなど自然のある場所で過ごすことができているので切り替えのようなものはできているのかもですね。ただ、リラックスしている時に仕事のアイデアが生れることのもあるので、僕の場合は「仕事」と「遊び」や、「週末」「休日」「日常」の境目がなく、ずっと仕事しているような、ずっと遊んでいるようなタイプの人なので、答えになってないですね…難しい(笑)。

昨今、あたり前の日常がいつ戻ってくるの?と思っていたので日常という言葉は尊く感じます。そして、このイベント自体が僕らのいつもの日常を合わせて表現しているということをセレクションしていて気づきました。自分が、ふだん行くお店や、休日はここと、ここに行きたいよねというところに声をかけているので。つまり新しい週末を提案しながら、今までの日常を思い出させてくれ、新しい日常を感じる、そんな二日間になれば良いなと個人的に思っています。









“NEW WEEKEND”
2022 5/21sat、22sun
場所:INN THE PARK 福岡
住所:福岡市東区西戸崎18-26 海の中道海浜公園「光と風の広場」内
イベント時間:5/21(土)12:00 ~ 17:30 DJ 16:00~22:00、
5/22(日)11:00 ~ 17:00
Tel:092-692-7100 (電話受付時間:10:00~17:00)
WEBサイト:https://www.innthepark.jp/fukuoka/
海の中道海浜公園入園料:大人450円、65歳以上210円、中学生以下無料
※5/22(日)は無料    


SHOP LIST:
【FOOD】
RC [riverwild&cookluck] (5/21のみ)
Cro-magnon (5/22のみ)
とどろき酒店
manucoffee & friends
諸国めしや カーネル食堂
SYM
Cafe & Bar atoma
音℃
イシダファーム
CAKE SHOP CAFUNÉÉE
ベトナム料理 シンチャオ
今屋のハンバーガー
2/2 by TTOAHISU
神戸ドンバル

【PRODUCT】
HIGHTIDE STORE
GOOD DAILY HUNT
the LITTLE STANDARD
ALSO MOONSTAR
sosite
虚屯出版
ichi
FRAME
pot-pourri
旅の自転車 プラットフォーム
GALLERY SHIMAZU
Waiper
Baumkuchen
Chikugo-ori Project

DJ:
Tomoyasu Fujita
Hisaki
Atsushi Tanno
Toshiya Mori
Naoki Nakagawa



GO FUJITO/藤戸 剛
 ”FUJITO”デザイナー
1975年 佐世保生まれ
2002年 ”FUJITO”スタート
2008年 ”FUJITO”旗艦店”Directors”をオープン
2014年 合同展示会”thought”を開催
https://gofujito.com/

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